ピアノを習っていたり、趣味で続けていたりすると、
「何となく練習はしているけれど、目標がない」
「次は何を目指して練習すればいいんだろう?」
と感じることがあります。
始めたばかりの頃は「この曲を弾けるようになりたい」「もっと上手になりたい」と思っていても、ある程度続けていると、次に何を目指せばいいのか分からなくなることもありますよね。
子どものピアノでも同じです。
発表会までは一生懸命練習していたのに、終わった途端に目標がなくなってしまった。
そんな様子を見て、「次は何を目標にさせたらいいんだろう」と悩む保護者の方もいるでしょう。
でも、ピアノの目標は大きなものでなくて大丈夫です。
好きな曲を1曲弾けるようにする、週に何回かピアノに触れる、演奏を録音してみるなど、小さなことでも立派な目標になります。
また、もう少し分かりやすい区切りがほしい場合には、級や検定に挑戦する方法もあります。
この記事では、ピアノの練習に取り入れやすい目標例と、無理なく続けるための決め方を紹介します。
大人の趣味としてピアノを楽しんでいる方も、お子さんの練習目標を考えている方も、自分たちに合いそうなものから探してみてください。
ピアノの練習目標がないときは、小さな目標から決めてみよう
まずお伝えしたいのは、ピアノを弾くなら目標を持たなければいけないわけではない、ということです。
特に趣味のピアノなら、
「好きな曲を弾くのが楽しい」
「仕事や家事の合間の気分転換になる」
「ピアノに触れている時間そのものが好き」
という続け方でもいいですよね。
無理に資格や発表会などの目標を作らなくても、本人が楽しめているのであれば、それもひとつの続け方です。
一方で、
「最近、何となく同じ練習ばかりしている」
「何を練習したらいいのか分からない」
「上達しているのか実感しにくい」
「子どもが言われたから練習しているだけになっている」
という場合には、小さな目標をひとつ作ってみるのもいいでしょう。
目指すものがあると、「今日は何を練習するか」を決めやすくなります。
ここで大切なのは、最初から難しい目標を立てすぎないことです。
たとえば、
「半年後までに難しい曲を最後まで弾けるようにする」
という目標だけだと、ゴールまでが遠く感じられることがあります。
それよりも、
「今月はこの曲の1ページ目まで弾く」
「今週は右手だけ最後まで確認する」
というように、小さく区切ったほうが取り組みやすくなります。
子どもの場合も同じです。
大人から見れば小さな目標でも、本人が「できた」と感じられるものであれば、次の練習へ進むひとつの区切りになります。
「もっと上手になろう」と大きく考えるより、まずは今の自分やお子さんが少し頑張れば届きそうなところから考えてみましょう。
ピアノの練習に取り入れやすい目標例5つ
「目標を作ろう」と言われても、具体的に何を目標にすればいいのか迷いますよね。
ピアノの目標は、発表会やコンクールだけではありません。
ここでは、大人の趣味にも子どもの練習にも取り入れやすい目標を5つ紹介します。
すべて取り入れる必要はないので、「これなら続けられそう」と感じるものをひとつ選ぶところから始めてみてください。

好きな曲を1曲弾けるようにする
分かりやすいのは、「この曲を弾けるようになりたい」という目標です。
好きな曲や、以前から憧れていた曲があるなら、その1曲を仕上げることを目標にしてみましょう。
「この曲が弾きたい」という気持ちは、自分自身で選んだ目標なので、趣味のピアノにも取り入れやすい方法です。
特に大人の場合、
「何級まで進む」
「何年間続ける」
といった目標よりも、「この曲を自分で弾けるようになりたい」という目標のほうがしっくりくることもあります。
ただし、憧れの曲が今のレベルよりかなり難しい場合は、なかなか先に進まず、途中で疲れてしまうこともあります。
そんなときは、先生に相談して少し弾きやすいアレンジを選んだり、曲をいくつかの部分に分けたりする方法があります。
「まずはサビまで」
「今月は最初の1ページまで」
というように、小さなゴールを途中に作るのもいいですね。
子どもの場合は、本人が好きなアニメや映画の曲などを目標にする方法もあります。
教本を進めることとは別に「この曲を弾きたい」という楽しみがあると、普段の練習とは違った目標を持ちやすくなります。
練習する回数や時間を決める
「○○が弾けるようになる」という結果ではなく、練習すること自体を目標にする方法もあります。
たとえば、
・ 週3回ピアノに触る
・ 1回15分練習する
・ 土日は30分練習する
・ レッスンの翌日に一度復習する
といった決め方です。
この方法のよいところは、自分で達成できたかどうかを確認しやすいことです。
「上手になったか」は自分では判断しにくくても、「今週3回練習できたか」なら分かりますよね。
忙しい大人の場合、「毎日1時間練習する」と決めても、仕事や家事で続けられないことがあります。
最初から無理な時間を設定するより、
「平日は15分」
「週末だけ少し長めに弾く」
など、自分の生活に合わせたほうが続けやすくなります。
子どもの場合も、長時間練習することだけを目標にする必要はありません。
特に小さい子の場合は、「30分座っていなさい」とするより、
「今日はこの部分を3回弾こう」
「右手ができたら終わりにしよう」
など、練習内容を小さく区切る方法もあります。
練習時間そのものを増やすことより、「ピアノに向かう習慣を作りたい」というときに取り入れやすい目標です。
発表会や人前で演奏する日を決める
発表会など、人前で演奏する機会を目標にする方法もあります。
発表する日が決まっているため、
「本番まであと3か月」
「今月中に譜読みを終わらせよう」
「来月からは通して弾く練習をしよう」
というように、期限から逆算して練習しやすくなります。
「いつか弾けるようになりたい」だと先延ばしになってしまう人でも、本番の日が決まることで練習のペースを作りやすくなる場合があります。
発表会以外にも、家族の前で弾いたり、友人に聴いてもらったりする方法があります。
大げさなステージでなくても、「この日に1曲聴いてもらう」と決めれば、ひとつの目標になります。
一方で、人前で演奏することが大きなプレッシャーになる人もいます。
「発表会に出るのが普通だから」と無理に目標にする必要はありません。
緊張すること自体が悪いわけではありませんが、発表会への不安が強く、ピアノそのものまで嫌になってしまいそうなら、ほかの目標を選ぶのもひとつです。
録音や動画で演奏を記録する
人前で弾くことに抵抗があるなら、自分の演奏を録音・録画して残す方法もあります。
たとえば、
「毎月最後の日曜日に1曲録音する」
「同じ曲を1か月ごとに撮影する」
など、記録する日を決めておきます。
毎日少しずつ練習していると、自分では変化に気づきにくいものです。
でも、1か月前の演奏と現在の演奏を聴き返してみると、
「前より止まらずに弾けている」
「テンポが安定してきた」
「ここはもう少し練習したほうがよさそう」
など、変化に気づくことがあります。
記録を残すこと自体を目的にしてもいいですし、次の練習内容を決める材料として使うこともできます。
また、録音や動画なら誰かに見せる必要はありません。
人前で演奏するのは苦手だけれど、何か区切りがほしいという人にも取り入れやすい方法です。
子どもの場合は、数か月前の動画を一緒に見返してみるのもいいですね。
「前はここで止まっていたけれど、今は弾けているね」と具体的な変化を確認できれば、本人も成長を振り返りやすくなります。
ピアノの級・検定に挑戦する
もうひとつは、ピアノの級や検定を目標にする方法です。
「次は○級に挑戦する」と決められるので、自分だけでは目標を作りにくい場合にも、ひとつの区切りとして使えます。
発表会では「1曲を仕上げて人前で演奏すること」が大きな目標になりますが、級や検定では、それぞれの課題や基準に沿って準備を進めていく形になります。
そのため、
「次に何を目指せばいいのか分からない」
「段階的な目標があったほうが練習しやすい」
「発表会以外にも分かりやすい目標がほしい」
という人には、候補のひとつになります。
また、「○級」という区切りがあると、ひとつ終わったあとに次の目標を考えやすい点も特徴です。
ただし、検定への挑戦によって練習への意欲が高まるかどうかは、人によって異なります。
試験や合否があることで、かえってプレッシャーを感じる人もいます。
特に子どもの場合は、大人が「次の級を取らせたい」と思っていても、本人が負担に感じていることもあります。
級を目標にするなら、合格だけに目を向けるのではなく、「本人にとって取り組みやすい目標になっているか」も見ながら考えたいところです。
自分に合ったピアノの目標はどう選ぶ?
ここまで5つの目標例を紹介しましたが、
「結局、自分にはどれが合うんだろう?」
と迷う方もいるでしょう。
そんなときは、自分が今どこで困っているのかを考えてみると選びやすくなります。
たとえば、
・ 弾きたいものがなくて退屈している → 好きな曲を決める
・ 練習する習慣がつかない → 回数や時間を決める
・ 期限がないと先延ばししてしまう → 発表会などの日程を決める
・ 上達しているのか分からない → 録音や動画を残す
・ 次に目指す段階がほしい → 級・検定を検討する
という考え方ができます。

「どの目標がもっともよいか」ではなく、今の悩みに合っているものを選ぶイメージです。
また、ひとつだけに決める必要もありません。
「好きな曲を3か月後までに仕上げる。そのために週3回練習する」というように、いくつかを組み合わせてもいいでしょう。
大人なら生活に無理なく組み込めるか、子どもなら本人が納得して取り組めそうか、という点も確認しておきたいところです。
ピアノの目標は「ゴール」と「日々の行動」をセットで決める
目標を作るときは、最終的なゴールだけで終わらせず、「そのために何をするか」まで決めておくと練習に取り入れやすくなります。
たとえば、「3か月後に1曲弾けるようになる」と決めても、それだけでは今日何を練習するのか分かりません。
そこで、ゴールから逆算して小さな行動まで決めていきます。
まずは達成したいことをひとつ決める
最初に、少し先のゴールをひとつ決めます。
たとえば、
「3か月後までに好きな曲を1曲弾けるようにする」
「次の発表会でこの曲を演奏する」
「次の級に挑戦する」
といった形です。
ここでも、無理に大きな目標を選ぶ必要はありません。
今の自分より少し先にあるものを選ぶくらいでも十分です。
半年や1年先の大きな目標を持ちたい場合は、その途中にも小さな目標を入れてみましょう。
たとえば、半年後の発表会を目指すなら、
「今月は譜読み」
「3か月後までに最後まで弾けるようにする」
「本番1か月前から通して弾く」
というように、途中にもゴールを作ります。
遠い目標だけを見るより、「まずここまで」と考えられるほうが取り組みやすくなります。
目標から逆算して練習内容を決める
ゴールが決まったら、「そのために今週は何をするか」まで小さくしていきます。
たとえば、3か月後に1曲仕上げたいなら、
「今月は譜読みを進める」
「今週は最初の1ページを練習する」
「週3回はピアノに触る」
というように分けられます。
「1曲仕上げる」という目標だけを見ると遠く感じても、「今日は8小節練習する」なら始めやすくなりますよね。
子どもの場合も、「上手に弾こう」と伝えるだけでは、本人には何をすればいいのか分かりにくいことがあります。
「今日は右手だけ」
「この4小節を3回弾いてみよう」
など、具体的な行動にすると取り組みやすくなります。
目標を立てるときは、
少し先のゴール → 今月やること → 今週やること → 今日やること
くらいまで小さくしてみると、毎日の練習につなげやすくなります。

ピアノの目標を決めても続かないときは見直してOK
せっかく目標を決めても、予定どおりに練習できないことはあります。
仕事が忙しくなったり、学校行事が続いたり、思っていたより曲が難しかったりすることもありますよね。
そんなときに、「目標を守れなかったからダメ」と考える必要はありません。
今の生活やレベルに合うように、目標を調整してみましょう。
目標を小さくしてみる
まず見直したいのが、目標の大きさです。
たとえば、
「毎日1時間練習する」
という目標が続かないなら、
「週3回15分」
に変えてみます。
好きな曲が難しくてなかなか仕上がらないなら、
「まずは1ページ」
「まずは右手だけ」
と区切っても構いません。
目標を小さくするのは、あきらめることではありません。
続けられる形に調整するための方法です。
むしろ、無理な目標をずっと守れずにいるより、「今ならここまでできる」と設定し直したほうが次の行動を決めやすくなります。
最初に決めた目標を守ることより、今の自分が取り組める形を見つけることを優先してみましょう。
今の自分に合わない目標にこだわらない
目標の大きさだけでなく、種類そのものを変える方法もあります。
たとえば、発表会を目標にしていたけれど人前で弾くことが負担なら、好きな曲を仕上げることを目標に変えてもいいでしょう。
反対に、一人で練習していると途中でやめてしまうなら、発表会や検定など期限のある目標を作る方法もあります。
大切なのは、「どの目標が正解か」ではなく、自分がピアノを続けやすいかどうかです。
特に趣味の場合は、目標を達成することばかりに気を取られて、ピアノそのものが負担になってしまうのは少しもったいないですよね。
そのときの生活や気持ちに合わせて、目標は変えて大丈夫です。
大人と子どもでは目標の決め方を少し変えてみよう
大人と子どもでは、ピアノを続ける環境が少し違います。
そのため、同じ目標をそのまま当てはめるより、それぞれに合わせて考えるとよいでしょう。
大人は生活の中で続けられる目標を
大人の趣味では、仕事や家事、育児などとのバランスが大切になります。
やる気があるときに「毎日練習しよう」と決めても、忙しい時期になると続かないことがあります。
そのため、
「週末に一度は弾く」
「3か月で好きな曲を1曲仕上げる」
「半年に一度、新しい目標を決める」
など、生活に合わせて余裕を持たせる方法もあります。
趣味だからこそ、長く楽しめる目標を選びたいところです。
子どもは本人が納得できる目標かも確認する
子どもの場合は、保護者や先生が目標を決める場面も多いでしょう。
もちろん、まだ自分だけでは目標を決められない年齢なら、大人が候補を示すことも必要です。
ただ、「発表会に出る」「○級に合格する」という結果だけを大人側の目標にしてしまうと、本人との気持ちに差が出ることもあります。
「この曲とこの曲ならどっちを弾きたい?」
「次は発表会と級、どっちに挑戦してみたい?」
など、選べる形にしてみるのもひとつの方法です。
本人が「これをやってみたい」と思える目標を一緒に探せるといいですね。
目標が決まらないなら「級・検定」を区切りにする方法もある
ここまでいくつかの目標を紹介しましたが、
「好きな曲はあるけれど、それだけでは練習の区切りを作りにくい」
「自分で目標を決めるのが難しい」
「発表会以外にも何か目指せるものがほしい」
という人もいるでしょう。
そんな場合には、ピアノの級や検定をひとつの区切りとして利用する方法があります。
級があると次に目指すものを決めやすい
級が段階的に設定されている検定なら、
「まずはこの級を目指す」
「その次はひとつ上の級に挑戦する」
というように、次の目標を決めやすくなります。
自分でゼロから目標を考えるのが苦手な人にとっては、「次に目指す場所が見えている」という点は分かりやすいでしょう。
また、ひとつの級への挑戦が終わったあとも、「次はどうしよう」と考えやすくなります。
発表会とは違った形で区切りを作れるので、人前で演奏すること以外の目標を探している場合にも候補になります。
級・検定が向いている人
級や検定は、たとえば次のような人なら選択肢として考えやすいでしょう。
・ 具体的なゴールがあるほうが練習しやすい
・ 自分で目標を決めるのが難しい
・ 発表会以外の区切りがほしい
・ 少しずつ段階を上げながら取り組みたい
・ 「次に何を目指すか」が分かるほうが続けやすい
一方で、試験や合否が気になりすぎる人には、向いていない場合もあります。
検定を目標にするときも、「合格しなければ意味がない」と考えるのではなく、練習するためのひとつの区切りとして自分に合っているかを見ることが大切です。
発表会、好きな曲、日々の練習、級・検定。
それぞれ目標の作り方が違うので、自分が取り組みやすいものを選んでみてください。
ピアノの級を目標にしたいなら検定の内容も確認してみよう
「級をひとつの目標にするのはよさそう」と感じたら、実際にどのような検定があるのか確認してみましょう。
検定によって、級の設定や課題、受検方法などは異なります。
そのため、単に「検定だから受けてみよう」と決めるのではなく、
「今の自分でも挑戦しやすいか」
「どのくらいの級から始められるのか」
「どんな内容で評価されるのか」
「自分のペースで続けられそうか」
といった点まで確認しておくと、自分に合った目標なのか判断しやすくなります。
特に「目標がほしい」という理由で検定を選ぶのであれば、難しさだけでなく、継続して取り組みやすい仕組みかどうかも見ておきたいところです。
音楽技能検定については、別の記事で検定の内容やメリット、注意しておきたい点などをまとめています。
ピアノの練習に級という目標を取り入れてみたい方は、音楽技能検定の内容やメリット・注意点をまとめた記事も参考にしてみてください。
※料金、開催方法、受検条件などは変更される可能性があるため、掲載時点の公式情報をご確認ください。
まとめ|ピアノの練習目標は続けやすいものを選ぼう
ピアノを練習していて「目標がない」と感じたら、まずは小さなものから決めてみましょう。
たとえば、
・ 好きな曲を1曲弾けるようにする
・ 練習する回数や時間を決める
・ 発表会や人前で演奏する
・ 録音や動画で演奏を残す
・ 級や検定に挑戦する
といった方法があります。
どれかひとつが特に優れているというものではありません。
人前で演奏する機会があったほうが頑張れる人もいれば、自宅で好きな曲を少しずつ仕上げるほうが楽しく続けられる人もいます。
また、「好きな曲を3か月後までに仕上げるために週3回練習する」というように、いくつかの目標を組み合わせてもいいでしょう。
大切なのは、立派な目標を掲げることではなく、「次に何をすればいいか」が自分で分かることです。
そして、目標が合わなくなったら途中で変えても構いません。
まずは「これなら少しやってみたい」と感じるものから始めてみてください。
もし、自分だけでは目標を決めにくかったり、発表会以外にも分かりやすい区切りがほしかったりする場合には、級や検定も選択肢のひとつです。
ピアノを楽しむ気持ちも大切にしながら、自分やお子さんに合った目標を見つけていきましょう。

