「音楽技能検定を受けてみたいけれど、どのくらい難しいんだろう?」
「初心者でも受けられるの?」
「子どもに受けさせるなら、何級を選べばいい?」
音楽技能検定に興味を持ったとき、まず気になるのが難易度ではないでしょうか。
せっかく受験するなら、自分の実力とかけ離れた級を選んでしまうのは避けたいですよね。
音楽技能検定は級によって審査内容が異なるため、検定全体をひとまとめにして「難しい」「簡単」と判断するのは少し難しいです。
日本音楽協会の公式情報では、ピアノ部門について10級を「音楽学習1年目程度」、1級を「難関音大合格レベル」として設定しています。
つまり、これから音楽を学んでいく段階から、本格的に高いレベルを目指す段階まで、幅広く級が用意されているということです。
そのため、「音楽技能検定は自分には難しそう」と最初から諦める必要はありません。
まずは級ごとの違いを知って、自分が挑戦できそうなところを探してみると分かりやすいですよ。

この記事では、音楽技能検定の難易度について、公式の審査内容や合格基準をもとに整理します。
なお、音楽技能検定は部門によって級の設定や試験内容が異なります。
この記事では、10級から1級まで設定されているピアノ部門を中心に解説します。
音楽技能検定の難易度はどのくらい?
音楽技能検定の難易度を考えるとき、最初に知っておきたいのが「級によって求められる内容が違う」という点です。
ピアノ部門では、10級から1級まで設定されています。
公式サイトでは難度の目安として、
* 7~10級:基礎
* 4~6級:応用
* 1~3級:音高・音大
と分類されています。
さらに10級については「音楽学習1年目程度」、1級については「難関音大合格レベル」とされています。
こうして見ると、同じ音楽技能検定でも、下位級と上位級では想定されているレベルにかなり幅があることが分かります。
そのため、
「音楽技能検定って難しい?」
という疑問に対しては、
「級によって難易度が違うので、自分に合った級を選ぶことが大切」
と考えるのが分かりやすいでしょう。
特に気をつけたいのが、経験年数だけで級を決めてしまうことです。
「ピアノを3年習っているから○級」
「まだ始めて1年だから○級しか無理」
というように、経験年数だけで一律に判断することはできません。
練習している内容や進み方は人によって違いますし、音楽技能検定では実際に級ごとの課題や審査内容が設定されています。
まずは受けようとしている級の内容を確認し、今の自分と照らし合わせることが大切です。
保護者の方が級を選ぶ場合も、「何年習っているか」だけを見るより、普段どんな曲に取り組んでいるか、先生からどのような評価を受けているかも含めて考えると選びやすくなります。
音楽技能検定の級ごとのレベルと審査内容
ここからは、ピアノ部門の級ごとの違いをもう少し詳しく見ていきます。
大きく分けると、
7~10級は「基礎」
4~6級は「応用」
1~3級は「音高・音大」
という段階になっています。
ただし、同じグループに入っている級でも審査内容は同じではありません。
「自分ならどの級がよさそうかな?」と考えながら見ていくと、受験級を選びやすくなります。
7~10級は基礎段階
7級から10級は、公式サイトで「基礎」に位置づけられています。
なかでも10級は「音楽学習1年目程度」とされています。
そのため、
「ピアノを始めてまだそれほど長くない」
「検定を受けた経験がない」
「まずは目標になる級を探している」
という場合は、10級を含めた基礎段階の課題を確認してみるとよいでしょう。
ただし、「10級=受験すれば容易に合格できる」という意味ではありません。
級として設定されている以上、決められた課題や合格の目安があります。
初心者向けかどうかを級の数字だけで判断するのではなく、実際の課題曲を確認することが大切です。
また、9級・10級は実技のみですが、8級以上になると学科も関わってきます。
ここは受験前に見落としやすいポイントです。
「課題曲なら弾けそうだから大丈夫」と思っていても、級によっては学科についても準備する必要があります。
実技と学科の両方を見ておくことで、「思っていた試験と違った」というズレを減らせます。
4~6級は応用段階
4級から6級は、公式サイトでは「応用」に位置づけられています。
この段階になると、実技ではバロック・古典から1曲、ロマン・近現代から1曲というように、異なる時代の作品について合格することが認定条件となっています。
学科では、
* 楽典
* 聴音
* リズム/視唱
* 初見視奏
から2科目を選択します。
つまり、単純に「1曲を上手に仕上げればいい」という考え方だけではなくなってきます。
異なる時代の作品へ取り組みながら、音楽の知識や聴く力、初めて見る楽譜への対応なども含めて準備していく必要があります。
このあたりから、「演奏は得意だけれど学科はあまり経験がない」という人は、少し戸惑うこともあるでしょう。
反対に、普段のレッスンで楽典や聴音などにも取り組んでいる人であれば、内容を確認したときにイメージしやすいかもしれません。
4~6級を検討している場合は、課題曲だけを見るのではなく、学科の過去問や例題にも一度目を通しておくとよいでしょう。
実際の問題を見てみると、自分がどこを準備すればよいのかが見えやすくなります。
1~3級は音高・音大を意識した段階
1級から3級は、公式サイトの難度表では「音高・音大」に位置づけられています。
上位級になると、実技で求められる内容もさらに変わってきます。
3級では、バロック・古典・ロマン・近現代からそれぞれ1曲ずつ、計4曲以上の合格が認定条件です。
2級では複数曲を続けて演奏する必要があり、1級ではバロック・古典・ロマン・近現代から1曲ずつ、計4曲を続けて演奏します。
さらに1~3級の実技は、暗譜による演奏です。
学科についても、1~3級では、
* 楽典
* 聴音
* リズム/視唱
* 初見視奏
の4科目が対象になります。
特に1級は、公式に「難関音大合格レベル」が設定されています。
ここまでくると、「難しい曲を弾けるかどうか」だけで難易度を判断するのは難しくなります。
複数の時代の作品を準備することに加えて、暗譜や学科なども含め、総合的に準備していく必要があります。
上位級を目標にしている方は、実技の課題曲だけではなく、認定までに必要な条件を一通り確認しておきましょう。
初心者でも音楽技能検定を受けられる?
「まだピアノを始めたばかりなのに、検定を受けても大丈夫?」
ここが気になっている方も多いのではないでしょうか。
ピアノ部門では、10級が「音楽学習1年目程度」として設定されています。
そのため、音楽経験がそれほど長くないからといって、検定そのものが対象外になるわけではありません。
下位級から少しずつ挑戦していくという選択肢があります。
とはいえ、「初心者だから10級から」と一律に決める必要もありません。
そもそも「初心者」という言葉にはかなり幅があります。
同じ1年間ピアノを習っていても、レッスンの頻度や練習量、使っている教材、これまで取り組んだ曲などによって進み方は変わります。
ですから、
経験年数 → 級を決める
ではなく、
課題・審査内容を確認する → 今できることと比べる → 級を決める
という順番で考えるほうが自然です。

お子さんが受験する場合は、本人だけで判断するのが難しいこともあります。
その場合は、候補となる級の課題を確認したうえで、普段指導を受けている先生に相談してみるとよいでしょう。
「検定を受けるなら少しでも上の級を」と考えるより、今の学習段階で無理なく目標にできる級を探すほうが、受験までの練習にも取り組みやすくなります。
音楽技能検定は何級から受ける?自分に合った級の選び方
ここまで読んで、
「級によって違うのは分かったけれど、結局私は何級を選べばいいの?」
と思った方もいるかもしれません。
そんなときは、次の順番で確認してみてください。
まずは受けたい級の課題曲を確認する
最初に確認したいのは、実技の課題曲です。
日本音楽協会の公式サイトでは、級ごとの課題曲を確認できます。
候補となる級をひとつに決めてしまう前に、前後の級も含めて見比べてみるとよいでしょう。
たとえば、
「この級なら、今取り組んでいる曲と近そう」
「ひとつ上になると急に難しく感じる」
といった違いが見えてくることがあります。
級の数字だけを眺めていても難易度はなかなか分かりませんが、実際の課題を見ると、自分との距離感をつかみやすくなります。
学科の内容も確認する
8級から1級では、実技だけでなく学科も関わってきます。
ピアノ部門の学科には、
* 楽典
* 聴音
* リズム/視唱
* 初見視奏
があります。
4~8級ではそのうち2科目を選択し、1~3級では4科目が審査対象になります。
ここで、「楽典ってどのくらいの問題なんだろう?」「初見視奏はどの程度できればいいの?」と気になりますよね。
公式サイトでは学科の過去問・例題も公開されています。
受験級に迷っているなら、課題曲だけでなく過去問や例題も実際に見てみましょう。
問題を見て、
「この内容なら少し勉強すれば取り組めそう」
「実技は大丈夫そうだけれど、学科は準備が必要そう」
と整理できれば、受験までに何をすればよいのかも見えてきます。
迷ったら無理に上の級を選ばない
検定というと、つい「少しでも上の級を取ったほうがいいのかな」と考えてしまうものです。
特にお子さんの受験では、同年代の子が何級を受けているのか気になることもあるかもしれません。
ただ、級の数字だけで周囲と見比べる必要はありません。
音楽技能検定は、受験者同士の順位を競うのではなく、定められた基準に沿って現在の実力を確認していく検定です。
今の自分にとって適切な目標になっているか、という視点で選ぶほうが活用しやすいでしょう。
迷った場合は、
課題曲 → 学科 → 認定条件
の順に確認してみると整理しやすいです。
それでも判断しにくい場合は、先生など実際の演奏を知っている人へ相談してみるのもひとつの方法です。
上位級になると難易度はどう変わる?
「今すぐ上位級を受けるわけではないけれど、最終的にはどのくらいのレベルになるの?」
という点も気になりますよね。
ピアノ部門では、上位級になるにつれて実技・学科の両方で求められる内容が変わります。
特に分かりやすいのが実技です。
1~3級では暗譜による演奏が必要です。
さらに、3級では複数の時代区分から計4曲以上の合格が必要となり、2級では複数曲を続けて演奏、1級では4つの時代区分から選んだ計4曲を続けて演奏します。
学科についても、4~8級では4科目から2科目を選ぶのに対し、1~3級では4科目すべてが対象になります。
つまり、級が上がると、
「演奏する曲そのものが難しくなる」
という部分だけを見ればよいわけではありません。
演奏する曲数や方法、学科なども含めて考える必要があります。
特に1級は「難関音大合格レベル」と公式に設定されているため、下位級から見るとかなり本格的な内容です。
一方で、最初から1級を目指す必要はありません。
基礎・応用・音高音大という段階が設けられているので、自分の現在地に合わせて目標を設定していくことができます。
「いつか上位級まで挑戦してみたい」という方にとっては、級が段階的に用意されていること自体が、長期的な目標を作る材料にもなりそうですね。
音楽技能検定の合格基準も難易度と一緒に確認しよう
音楽技能検定の難易度を調べていると、「何点取れば合格なの?」という点も気になってくると思います。
ピアノ部門の実技は100点満点で、公式サイトでは合格の目安として、
* 1級:80点
* 2・3級:75点
* 4~10級:70点
と示されています。
学科については、1~3級では4科目の合計点、4~8級では選択した2科目の合計点が60点以上で合格です。
また、級として認定されるためには、原則として実技と学科の両方に合格する必要があります。
9級・10級は学科がないため、実技のみです。
さらに、実技と学科の合格時期についても条件があり、級の認定には両方の合格時期が3年以内である必要があります。
ここは「試験に合格すること」と「級として認定されること」を分けて確認しておきたいポイントです。
難易度を調べると、どうしても「何点取ればいいか」だけに目が向きがちですが、受験予定の級について、
何を受験するのか
↓
何点が合格の目安なのか
↓
級として認定されるには何が必要なのか
まで確認しておくと、全体像をつかみやすくなります。

なお、試験内容や認定条件は変更される可能性もあるため、実際に受験するときは日本音楽協会の最新の公式情報も確認してください。
音楽技能検定の難易度についてよくある疑問
最後に、音楽技能検定の難易度について気になりやすい疑問をまとめます。
音楽経験が浅くても受験できる?
ピアノ部門では10級が「音楽学習1年目程度」として設定されています。
そのため、経験が浅いという理由だけで「まだ検定は無理」と考える必要はありません。
まずは10級を含めた下位級の課題を確認してみましょう。
ただし、学習の進み方には個人差があります。
経験年数だけではなく、現在取り組んでいる内容と課題を比べながら選ぶことが大切です。
最初から上位の級を受験してもいい?
受験する級については、最新の公式ルールを確認することが前提です。
そのうえで上位級を検討する場合は、課題曲だけで判断しないようにしましょう。
上位級になると、暗譜や複数曲の演奏、学科なども関係してきます。
「1曲だけなら弾けそう」という状態と、「その級の認定に必要な内容を満たせそう」という状態は同じではありません。
候補となる級の審査内容を一通り確認してから判断するとよいでしょう。
どの級にするか迷ったらどうすればいい?
まずは候補となる級と、その前後の級を見比べてみましょう。
課題曲だけでなく、学科の過去問・例題まで確認すると判断しやすくなります。
たとえば、
「実技はこの級でよさそうだけれど、学科はひとつ下の級のほうが取り組みやすそう」
ということもあるでしょう。
その場合は、どこを重点的に準備する必要があるのか考える材料になります。
先生について習っている方であれば、実際の演奏レベルを見てもらったうえで相談するのもよい方法です。
まとめ|難易度だけでなく自分に合った級かどうかで選ぼう
音楽技能検定の難易度は、受験する級によって大きく異なります。
ピアノ部門では10級から1級まで設定されており、公式では、
* 7~10級:基礎
* 4~6級:応用
* 1~3級:音高・音大
という段階に分けられています。
さらに10級は「音楽学習1年目程度」、最上位の1級は「難関音大合格レベル」とされています。
こうして見ると、かなり幅広いレベルが設定されていることが分かります。
そのため、「音楽技能検定は難しいから受けられない」と考えるよりも、自分が挑戦できそうな級があるかどうかを確認することが大切です。
受験級に迷ったら、
課題曲を確認する
↓
学科の内容・過去問を確認する
↓
認定条件を確認する
↓
今の自分に合う級を考える
という順番で見ていくと整理しやすいでしょう。
お子さんの受験を考えている場合も、経験年数や年齢だけで決めず、実際の課題内容を見ながら先生と相談すると選びやすくなります。
「難しそう」と感じていた方も、級ごとの内容を見ていくと、自分にとって現実的な目標が見つかるかもしれません。
そして、「自分でも挑戦できそう」と感じたら、次に考えたいのが音楽技能検定を受けるメリットや、自分にとって取得する意味があるかどうかです。
音楽技能検定のメリットや受ける意味、受験前に知っておきたい注意点・向いている人を整理しているので、受験するかどうか迷っている方は判断材料として確認してみてください。
受験するか迷っている方は、難易度だけで決めず、音楽技能検定の特徴やメリット・注意点まで確認したうえで判断してみてください。
